下火なったとは言え、ノロウイルスの患者さんも、依然として多く見受けられます。
今年はノロウイルスの他、ロタウイルス、サポウイルスなど、嘔吐と下痢をともなうお腹にくるウイルス性胃腸炎が大流行しています。ただ、べつに今年に限ったことではなく、以前は食中毒として片づけられていた症例が、新しい検査法によってウイルス性だと診断されるようになっただけの事です。
熱はそれほど高く上がりませんが、嘔吐・下痢がひどく、食べてもすぐに戻してしまいます。
とくに乳幼児の場合は水分補給が十分できず、入院して点滴する事態になることもしばしばです。便中にウイルスが排泄され、そこから手を介して他の人に感染し、2~3日の潜伏期間をおいて発症するので、家族全員が一度に発症する例もよくあり、また学校での集団感染も多く見られます。
予防のためには手洗いが最も重要です。20秒以上、流水でしっかり手を揉み洗いしないと、このウイルスは除去できません。
感染力も非常に強く、これといった特効薬もなく、また嘔吐・下痢で体力を消耗する厄介な感染症ですが、実は治るのも意外に早く、水分補給さえ怠らなければ、2~3日で回復します。スポーツドリンクなどを少し暖めてチビチビと呑んで下さい。
※ 12月度の原稿に加筆したものです。