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執筆者の写真松本浩彦

ヒアルロン酸って何?2

いちばん皆さんがお耳にするのは、関節内注射でしょう。よくお婆ちゃんが膝の骨が変形して痛いとか、軟骨がすり減ってるとかいって、整形外科で膝にヒアルロン酸を注射してるとか、そんな話、聞いた事ないですか?他にも、胃癌や大腸ポリープなどを内視鏡下で切除する場合に、粘膜下にヒアルロン酸を注入して、少し盛り上がらせてから焼き取る際にも使われますが、これは医者でないとなかなかお目にかかる事はないでしょうね。

話を元に戻しましょう。まずはじめに、美容外科も含めた医療用に使われるヒアルロン酸が、どうやって作られるか説明します。実は大きく二通りに別れます。ニワトリのトサカから抽出した生物由来製剤と、細菌を使って作らせた微生物由来の二種類です。生物由来と微生物由来のヒアルロン酸の違いはといいますと、分子量が生物由来の方がずっと大きいのです。

あっ、また読むのがイヤになってきましたね。判りました。ちょっと端折りましょう。で、今ではほとんど微生物由来のものが使われています。それでようやく今日のテーマ、医薬品のヒアルロン酸を美容医療目的にも使えるか、という話に入りましょう。先に言っちゃいましょう。答えは「使えない」なんですね。

医薬品のヒアルロン酸と美容目的のヒアルロン酸のどこが違うか説明するためには、「架橋(クロス・リンク)」というもの、これだけは知って頂かねばなりません。要するに、医薬品のヒアルロン酸製剤は、美容医療目的、すなわち皮下への注入物として使えないのは「架橋」されていないからなのです。 実は美容用のヒアルロン酸にはある種の薬剤が混ざっているのです。この薬剤は架橋剤と呼ばれます。ヒアルロン酸の形状を長持ちさせるためにはこの架橋なしでは、なし得ないのです。(シャレではありませんよ)


次回は、「架橋剤」についてお話します。

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