先週来の雨と雪で湿度が上がり、インフルエンザの流行も一段落かと思っていたのも束の間、またまたインフルエンザA型の患者さんが続々と来院されるようになりました。
多い時は一日20人近い患者さんで溢れていた当院ですが、また一日10人とか15人とか、インフルエンザとの闘いの日々の再来です。大流行とは言わないまでも、警報レベルであることは間違いありません。
当院の傾向で言うと、「A香港型」が7割、2009年に流行して新型豚インフルエンザと言われて騒がれた「インフルエンザ(H1N1)2009」が3割。そして「B型」がかなりみられるようになってきました。今年のインフルエンザは、典型的な症状がないのが非常に厄介で、熱が出ない、もしくは一回ドンと上がって、あとは微熱が続く場合も多く、あえていうなら「頭痛」と「何とも言えない倦怠感」が共通の症状と言えるくらいです。
熱が出ないということは、「ちょっと重いカゼ」と思い込んで、無理して電車に乗って会社に行ったり、スーパーや繁華街に出掛けます。そんな「隠れインフルエンザ患者」がいま、この辺りをうようよと歩き回っているのです。大流行して当たり前ですよね さらにもう一つ困ったことにこのウイルス、「タミフル耐性株」つまり「タミフル」が効かないインフルエンザが半数以上で、さらに「リレンザ」にいたっては、全くと言っていいほど効きません。ですので当院ではほぼ全例「ラピアクタ」という点滴のインフルエンザ特効薬で治療しています。
さらにもうひとつ大きな問題があります。およそ7割がA香港型のインフルエンザと前述しましたが、これも熱が出たり出なかったりと、これまでの常識とは異なった病態を見せています。マスコミでは、インフルエンザは下火になってきたと報道されていますが、現場の医師達は鼻で笑ってます。
どうか皆さん、いつもと違う妙な体調や、何ともいえない疲労感、カゼだと思うけど何かちょっと違う気がする、などと感じたら、すぐに医療機関に駆け込んで下さい。それも、ちゃんと感染症の流行の現状を把握している先生の元に。